ぱっしょんと〜ぶろぐ

ぱっしょんと~ぶのブログです。更新が最近はご無沙汰ですが、Twitterも含めてゆるゆる更新しています。

【東武・秩父】秩父線内の輸送とブレーキ配管の仮設について

大分ブログを書くのはご無沙汰で、ほぼTwitterに写真と動画ばかり上げていました。
重い腰を上げた一発目は、秩父線内の輸送の変化と、9103F出場を例にしたブレーキの電空読替装置についてご紹介しようと思います。

秩父鉄道経由の回送をめぐる動き

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秩父鉄道は、東武鉄道の新車搬入や、本線と東上線間の車両の転配の際には無くてはならない路線です。
西板線があれば…といつも思うのですが、そうはいかないのが現実というものです。

そんな中、2020年3月に石炭輸送が終了することが発表されました。
これに伴って「三ヶ尻線」の熊谷貨タ~三ヶ尻間が廃止となり、JRとの連絡機能は三ヶ尻線の廃止に伴い消滅、この経路での新車搬入ができなくなりました。そんなこんなで、転配もそうめったに無さそうなので、秩父鉄道経由の車両の回送は見られないと思っていた矢先、なんと2020年9月に川越工場が廃止となり、東上線車両の定期検査を南栗橋工場で行うことになったことで、秩父鉄道経由での車両の入出場が再び盛んとなりました。


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これに先立って、2020年9月17日に9152Fが本線に回送され、試運転を行いました。
本線への入線実績のない9000型の走行性能(PQ)測定を行ったものと思われ、南は曳舟、北は渡瀬北まで入線しました。
◆ 9152Fの深夜試運転の様子
youtu.be


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10月7日には31604F+31404Fが機関車に牽引されて南栗橋工場へ入場、その後も検査期限を迎えた東上線車両がひっきりなしに入場しています。
◆31604F+31404Fの出場試運転の様子
youtu.be


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12月には9108Fが検査入場し、これにあわせて複数日乗務員訓練も行われました。
◆9108F 本線で試運転を行う様子
www.youtube.com


9103Fの出場の様子

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前置きが長くなりましたが、9103Fが南栗橋工場を出場し東上線に返却されるとの報を聞きつけ、1日追いかけることにしました。(詳しくはYouTubeの動画をご覧ください)

【Part1 本線~秩父線内回送】
www.youtube.com
【Part2 寄居場面~東上線内回送】
www.youtube.com

ブレーキの電空読替装置について

気になったのは秩父デキと9000系の間のブレーキの読替装置や仮設です。
自動空気ブレーキ秩父デキに対し、9000系電気指令式ブレーキです。機関車のブレーキ圧に応じた電気指令を9000系側にも供給する必要があり、読替装置を用いて変換をしている様子がずっと気になっていました。
2014年に30000系が東上線に転属されたときもそれっぽくは撮ってはいたものの、引き通しがどうなっているかまでは細かく見ていませんでした。そんなわけで、追っかけしつつその辺りがどうなっているかをしげしげと見てきたわけです。


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羽生に到着した9103F、その後検修社員により配管の仮設が始まりました。
デキから出ている配管は2種類あり、9000系の海側にあるMR配管と、山側にあるBPと思われる配管です。


まず、MR配管についてです。
車両が活車していればコンプレッサーから800kPa程度の圧縮空気が常時供給されていますが、今回の回送では機関車側から供給を受ける必要があります。
密着連結器にもMR配管がついていますが、今回は連結器が自連に交換されていることから、9000系の白色のMR配管と仮設用ホースを繋ぎ、機関車デッキを経由し、機関車助士側の通風孔から室内に入り接続されています。

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次にBP(と思われる)配管ですが、こちらも機関車のBP配管と仮設用ホースが繋がれ、9000系客室内に引込んだうえで読替装置に入力、機関車のブレーキ圧を電気指令に変換したうえで各車両のブレーキ制御をしているようです。

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ポンチ絵にまとめるとこんな感じになると思われます。


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9000系のTc2車内には読替装置と、電源確保用の可搬式発電機が4台搭載されていました。(写真に写っていませんが手前にもう2台あります)
排気のために、発電機稼働中は側窓を開けているようです。

わからなかったこと。

一つ気になった(というかわからないのが)、機関車のブレーキ圧は読替装置で電気指令に変換されたのち、全車両のブレーキ引き通し線を加圧させ動作させることとなると、この引き通しをどうしているかということ。
過去には各車両のブレーキ制御装置に仮設のブレーキ指令線を室内から車外に通して仮設していたようですが、今回はそういったものは見られませんでした。運転台にあるブレーキの引き通し線に読替装置を繋ぐなどして加圧しているのでしょうか…?
発電機が動作しなくなると電源が無くなりブレーキ不緩解になると思われますので、4台もの発電機を積んで容量を確保しているのもそういうことかと思いますが、車内を見たことが無いので真相はわかりません…。

ちなみに、JR東日本でも同様に自動ブレーキの機関車(EF64やEF81)が、電気指令ブレーキの車両(E235系等)を輸送する際にも同様に読替装置でブレーキ圧を電気指令に変換していると思われるのですが、この場合は非牽引であるE235系側ではパンタグラフを上げて自車内に電源を供給していることから、電源容量に関してはそう問題にならないと思われます。
どうやってるんですかねぇ…お詳しい方教えてください。

(参考までにですが)かつては機関車からのブレーキ圧を、貨車の三道弁の機器を経て、各車両のBP配管に直接供給していたようです。しかし、各車両への配管仮設の手間がかかるのと、秩父線内を回送する頻度が上がったためか、2014年頃からはブレーキ圧を電気指令に変換する上記の方式に改めているようです。

そんなわけで

ブログもだいぶご無沙汰してしまいました。
Twitterに出す「撮って出し」もそうですが、もう少し記録に残すネタもまたまとめていきたいと思います。