ぱっしょんと〜ぶろぐ

ぱっしょんと~ぶのブログです。更新が最近はご無沙汰ですが、Twitterも含めてゆるゆる更新しています。

白塗りの8000系とワンマン化対応工事について

白塗りの8000系

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 8000系の修繕工事については以下のページでまとめているものの、白塗りの8000系の本線回送などを案外まとめていなかったので補遺も含めてまとめます。
8000系-更新修繕における変化-�F津覇車輌更新修繕の模様

8000系の修繕工事は、昭和61年に開始されて以降西新井工場で実施されており、以下の流れで作業を行っていました。
(1) 入場後に塗装を剥離、更新作業場で車体側の修繕工事の作業後、白の下地塗装を実施。
(2) 車体作業場で車体の塗装および修繕、所定の検査内容を実施。

 
(左:公道から撮影・2003年/右:西新井工場の公開時に撮影・1998年)

 8000系の前面はGMのキットのように顔を付け替えるイメージがありますが、前面は(かつてのダンプ衝突事故の対策として)運転士側に補強が入っていることから、なるべく既存部位を活用し、助士側の補強追加と前面の意匠変更に関係する部分はそのままとし、残す部位の塗装を剥離、その後不要部位を切り取り、前面を造形します。なお、側面は鋼製車体ということもあり、補修のため塗装を全剥離していました。
つまり、「白塗りの8000系」=「(1)で塗装を剥離した箇所を、修繕工事後に下地塗装をした」ということを示しています。



 これは修繕工事が開始されて以降踏襲されており、大多数の8000系はこのように修繕されています。
西新井工場でも、よく工場奥の8番線に留置されいる白塗りの8000系は見られました。




 しかし、平成16年3月の西新井工場閉鎖に伴い、(1)の作業は館林作業所(旧館林機関区)で、(2)の作業は南栗橋工場でそれぞれ実施することとなり、これにより白塗りの8000系が館林→東武動物公園南栗橋間の本線上を回送される姿が見られるようになりました。
 この時は、編成前後を8000系の伴車で挟み込んで回送していました。
理由として、(1)の作業が終了した時点では検査は未実施であること、あちこち手を入れていることから正常に機器類が動作しない可能性があること、しばらく走っていないこと、あたりと推測しますが、いずれにせよ単独で本線上を回送するのはなかなか厳しい、と素人考えても思ってしまいます。
 回送列車の運行前には、館林作業所で春日部支所から回送されたきた伴車となる8000系の組成をアントにより一旦分割し、輸送する編成を差し込み再組成する入換作業が毎回見られました。

車両の修繕工事の内容について

 さて、この頃の8000系の修繕工事は、平成15年に出場した81113Fを筆頭とし、それまでのワンマン修繕車メニューに、バリフリ法施行に伴う設備や機能を追加した時期でした。
スーパー8000系と揶揄されたりもしていましたが、ドア上鴨居に車内LED装置が付いたのはなかなかの衝撃でした)
8000系-更新修繕における変化-�Eバリアフリー修繕編成、800系、850系

更に、各線区のワンマン化が推進に伴い、3連または4連の短編成をねん出する必要があったことから、8000系の修繕工事併施でワンマン対応工事を行うのみならず、既に一度修繕を実施した8連を分割し4連に対応工事をしたり、ワンマン未対応の4連に対して対応工事を追加実施が行われました。
 まとめると以下の3種類に分類されます。

① 修繕工事および修繕工事併施で編成を分割しワンマン対応工事を実施した編成
② 一度修繕した8連を、4連に分割しワンマン対応工事を実施した編成
③ 一度修繕した4連に追加でワンマン対応工事を実施した編成

では、それぞれを詳細に見ていきたいと思います。

① 修繕工事および修繕工事併施で編成を分割しワンマン対応工事を実施した編成

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 【対象】
〇 修繕工事+ワンマン対応工事を実施した編成
 →8570F、8577F【春】、8564F、8572F、8574F、8576F、8579F【館】、81118F【栃】
〇 修繕工事+3連分割化+ワンマン対応工事を実施した編成(括弧内は800、850型の編成番号)

 →8187F(3F)、8193F(4F)、8195F(1F)、81101F(2F)、81103F(5F)【館】
〇 修繕工事+4連分割化+ワンマン対応工事を実施した編成
 →8189F、81105F、81115F【栃】

 修繕工事併施であるため、車体はすべて白色の下地塗装が施されています。
 主に亀戸、館林以北各線、宇都宮線ワンマン化向けに施工したした車両で、現時点では新栃木所属車が20000系列に置き換えられており現存しません。

 
また、上記にもある通り、8000系の前面は「元の顔を生かす」が基本でしたが、分割し運転台を増設するとなると別で、この時には新規で製作した前面を取り付けています。


 余談ですが、4連分割化工事の時、サハ8900・8901の貫通扉を撤去したため、妻窓部が嵌め殺し窓に改造されているのも特徴です。
800型、850型の場合はサハ8900自体が廃車し3連化したため、宇都宮、東上所属の4連に分割した編成にだけ見られる仕様です。

また、800、850型は改造種車の貫通扉の仕様違いから、編成ごとに妻面に違いがあることも注意です。
(詳しくは下記リンクから、ブログ内の別記事にジャンプします)
passiontobu8571.hatenadiary.org


② 一度修繕した8連を、4連に分割しワンマン対応工事を実施した編成

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 【対象】 
・8183F、8197F、8199F【森】

 主に対象となるのは越生線ワンマン向けに施工した車両で、現在も森林公園配置となっています。

 
 運転台増設箇所は上記①と同様に新規前面を取り付けたため、館林出場時は前面および乗務員室後部のみ下地の白色塗装となっています。このため外板の車号はまだ改番されておらず、サハ8998のままとなっています。
また、屋根上については増設部のみローン剤が塗りなおされていました。
 なお、その他ににもワンマン対応機器、車外スピーカー、車内LED装置、ワイパーウォッシャタンク、乗務員室の雨どいなどを追設しているほか、車いすスペースの移設、弱冷房車の変更等が行われています。

③ 一度修繕した4連に追加でワンマン対応工事を実施した編成

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・81108F【栃】(津覇改造)
・81109F、81111F、81112F【森】(森林公園で屋外改造)

 これに該当するのは宇都宮線の増発用で改造された81108Fのみで、上記②と施工内容は同一ですが、編成の分割がなかったため、どこかが白塗りされている、と言ったことはありません。
 なお、平成17年の東上線末端部のワンマン化に伴い、平成16年度に一度修繕を実施している81109F、81111F、81112Fの3編成に対し、ワンマン対応工事を森林公園(屋外)で実施しています。
(この時には、修繕工事併施でワンマン対応工事を実施した編成(81107F、81119F、81120F)を含め、6編成でワンマン運転を開始しました)

以上、白塗りの8000系をまとめるはずが長くなってしまいましたがまとめるとこのような形態となります。
ちょうど8000系の修繕工事の最末期に行われたものですが、意外にHPにもここまで細かくまとめていなかったのと、Twitterは140文字制限があるので、詳細を書けなかったので、ちょうどよい機会でした。
・・・と言っても、HPも見直すと修正しないといけないものもあるのですが…この内容も含めいずれ落とし込みます・・・(絶対やらない)。

【参考】東武各線のワンマン化実施日と車両の配置状況

参考までに、これまでのワンマン化とそれに伴う車両の配置状況をまとめてみました。
平成18年の3月改正の館林以北ワンマン時にどの編成がいたかは調べていませんが、概ねこのようになっているはずです。

〇 平成15年3月19日改正
 ・小泉線(太田~東小泉間):8561F、8562F、8563F
 ・大師線:8565F・8568F・8575F

〇 平成16年10月19日  亀戸線

 ・8570F・8577F(大師線と運用共通化

〇 平成17年3月17日改正 東上線(小川町~寄居間)
 ・81107F、81109F・81111F・811112F・81119F・81120F

〇 平成18年3月18日改正 伊勢崎線(太田~伊勢崎間)、佐野線、桐生線
 ※桐生線小泉線の東小泉~太田間との直通開始
〇 平成18年9月28日 小泉線(館林~西小泉間)
 ・800型、850型(計10編成)
 ・8564F、8572F、8574F、8576F、8579F
 →増備時期は多少前後します(詳細は調べていません)

〇 平成19年10月31日  宇都宮線
 ・8189F、8190F、81105F、81106F、81115F、81116F、81118F
 →追って81108Fが追加

〇 平成20年6月14日改正 越生線
 ・8183F、8184F、8197F、8198F、8199F、81100F(越生線と運用共通化

〇(参考)平成25年3月16日改正 伊勢崎線(館林までワンマン拡大)
 ・特に車両の増強はなし