ぱっしょんと〜ぶろぐ

ぱっしょんと~ぶのブログです。更新が最近はご無沙汰ですが、Twitterも含めてゆるゆる更新しています。

さらば、8570F

2023年2月27日、春日部支所の8570Fが渡瀬北に回送されました。
2004年8月に修繕工事を受けて以降、大師・亀戸線で活躍してきましたが、2022年12月にワンマン改造を受けた11204Fが館林に配置され、8576Fが春日部に転属、結果として玉突きで8570Fが終止符を打つこととなりました。
長年追いかけてきた編成が廃車となるのであれば、これは何か書かないと行かないといけない使命感(←)から、これまでのことを記事にしたためます。

8570Fの修繕前


8570Fは1976年に新製され、1993年に森林公園検修区に転属した後、長く東上線で活躍します。
2000年の森林公園検修区では「さだみね」を掲出して脇役のごとく展示されており、あゝ素晴らしいと思うも、感覚的には「8570Fは東上線のクルマ」というのが本音でした。これはこの後に転属してくる8564Fにも同じことが言えます。

一方で、2003年3月から小泉線大師線ワンマン運転が開始されることから、修繕工事とワンマン改造を受けた8561F、8562F、8563F(館林)、8565F・8568F・8575F(春日部)が配置されます。
更に、2004年10月から亀戸線のワンマン化開始に向け、同工事を受けることとなったのが8570F(と8577F)でした。

8570Fが修繕されたわけですが。


同編成は2004年8月に修繕を受けたわけですが、3月に西新井工場が閉鎖されたことに伴い、館林の津覇車輛で修繕を受けた1本目の編成でした。
以後、下塗りの白1色で前後を8000系に挟まれ南栗橋に回送される姿が見られるようになりました。

この8570F以降の編成は、2003年に修繕を受けたいわゆる「スーパー8000系」とも言われるバリアフリー修繕メニューがベースとなっており、それまでのワンマン修繕車と差異が生じています。



車体についてはこれまでの乗務員室扉の上部に雨どいが付きました。
なお、この雨樋はこの編成以前に修繕されたワンマン車には設置されていませんでしたが、気がついたら全編成に波及し、10000系や20000系の修繕にもしっかり受け継がれています。
乗務員設備はしっかりするあたりは流石東武だなとも思ったのでした。(決して褒めてはいない)


車内は鴨居へのLED表示器の設置やスターションポールの増設が行われました。
特に鴨居のLEDは前述のバリアフリー修繕車以降で標準化された機器でした。
また、禁煙プレートや急停車の注意プレートが文字表記からヒストグラムになったの特徴です。



これは修繕工事と関係なく種車の特徴ですが、側引戸がSUS製無塗装のドアで、車内側のガラス押さえがステンレス枠剥き出しの形状となっているタイプとなっています。
この形態は基本編成ではそこそこな数が居ますが、付属2連は8569F、8570Fの2編成のみでした。

ワンマン車としての活躍


修繕工事を受け、春日部へ転属した8570Fは、大師線亀戸線で運用されます。
2011年にはホーム検知装置が設置され、Mc車のジャンパ栓が撤去されます。
2015年にはスカイツリーの開業3周年のラッピングがされ、戸袋にはソラカラちゃんをはじめとしたキャラクターが貼られたのでした。(当時はソラカラちゃんにそこまで興味が無かったので、8111Fのついでに撮ったこれしか写真がありません…苦笑)

このラッピングは9月までの予定でしたが、8月に車両故障を起こしそのまま検査入場。
この時に下り方の貫通幌が撤去されています。



この画像は2018年の正月運行時のもので、干支の他4色ある8000系のイラストが付いていました。
ここ数年は干支HMが付かず、正月輸送にも8570Fはほぼ充当されていません。


2022年の正月、亀戸線からの回送に充当された8570Fと、大師線で運用中の8575Fと並走した1枚です。3本はこの時並びませんでしたが、並走したのも撮っておいてよかったなあと。

この後、2022年月にデジタル無線の設置工事を春日部支所で実施しています。
(…が、結局デジタル無線の運用前に廃車となることとなってしまいました。使用状況が特異なワンマン車とは言え、結局廃車が見えているのに付けちゃうあたりは相変わらず東武らしいといいますか…)



2023年12月19日のD(1)運用を最後に運用から外れた離脱した8570Fは春日部支所に留置されます。
春日部支所を訪れたこの日の表示は「普通 業平橋」の表示、係員さん遊んでますね。
(ワンマン車で普通表示を出すにはOM切換SWをツーマン側にしないと出ないはず…)


そして2023年2月27日、事前にファンクラブで廃車回送ツアーも計画され、渡瀬北に向かうことが公になりました。
そんな話が出たのでまた春日部支所を訪れたその日には、同僚である8568Fと縦列で停車していました。日が暮れ構内の照明に照らされ、8570Fの最期が近づいている中、彼らは一体何を話していたのでしょうか。

おつかれさま、8570F


新製されて47年、うち19年をワンマン車として過ごした8570F。
春日部ワンマン車の中では故障癖のある編成だったようで、8000系に救援され4両で回送される姿も何度かあったようです。

鴨居にLEDが付いた編成が付いた8570Fがやってきたあの日は、ついこの間のようです。
そして、自動運転が予定されている大師線、確実に新車が入り、他の8000系もゆくゆくは廃車される運命にあると思われます。
撮れるうちに撮っておけ、ですね。記録はお早めに…。